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軌条想歌 『ことば』に包まれ生命を得た一葉の写真

軌条想歌  わだちのうた

 

双筋の光の路は、時として「想い」すら運んでくれるように、遠く彼方へと続いている。

軌条は、途切れることなく続いている。 列車は今日も、遥かなる街を目指して静かに旅立つ。

 

詠人・雛桔梗 撮影・暁明星

櫻冠春光 君の住む北の街にも風にのせうすべにの春ひとつ届けん

 

旅立ち まっすぐにただまっすぐに見つめをり 共に歩まん日を夢に見て

 

夏の想ひ出 音がその歩みを示す 樹々の間を踏みしめるよに進むトロッコ

 

こころ 遠けれどおなじ一つの國と知るレールをつなぎ君に逢ふ今日

 

祈り 秋の風貨車に積み込み祈りにも似た姿なる稲の海行く

 

君へ 今僕が目指し行かんは地図にない終着駅のごとくある君

 

出逢ひ 出逢ひたるその初めより魅せられき そらすことなく僕を見る目に

 

蒼 漆黒のトンネル抜けて我が身体夜明けの蒼に溶くるごと行く

 

雪解け 踏切の前で遠くを眺めやるこの平行線が君住む街へ

 

回帰 君といふ駅を後にし旅立たん再びここに戻り来るため

 

黄昏 閉塞の赤き灯火 黄昏の駅に佇む君偲ぶ空